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むずむず脚症候群の治療薬の副作用とは?

むずむず脚症候群は、今のところ「特効薬」と言われるような「むずむず脚症候群のためだけの」薬というのはありません。

病院で処方されるいずれの薬も、他の病気や症状について使用されていた薬が、むずむず脚症候群にも効果的、ということで使われるようになった薬です。

もちろん、医師が判断して処方する薬なので、処方薬を飲むことで症状が軽減することは多いのですが、薬には副作用がつきもの。

今回はむずむず脚症候群に使用される薬と副作用の関係についてご紹介します。

むずむず脚症候群に使用できる薬の現状

現在、むずむず脚症候群というのは、健康保険適用の病名としては「レストレスレッグス脚症候群」もしくは「下肢静止不能症候群」と呼ばれています。

レストレスレッグス=restless legsというのは、休むことがないということで、むずむずするという日本語に当たります。

このことからわかるように、むずむず脚症候群というのは何も日本人だけに特有の症状などではなく、欧米では日本よりも早くこの症状についての認識がありました、

そして、西洋医学が日本よりも先進的だった欧米については、むずむず脚症候群に関しても、利用できる薬が以前から色々と試行錯誤されてきた歴史があります。

このため、西洋諸国では、日本よりも多くの薬がむずむず脚症候群に使用できる薬として認可されている事実があります。

一方で日本国内に関しては、そもそもの新薬の認可が下りにくいことと、最初に認可の下りた病気以外で薬を使うことに関してまだ厳しい審査があることなどから、むずむず脚症候群に使用できる薬は欧米よりも少ないのが現実。

人によっては、個人輸入できる薬を海外から取り寄せている人もいます。

むずむず脚症候群の治療薬の個人輸入と安全性

病院での診断の下、処方された薬や医薬品医療機器等法を遵守して販売等されている医薬品を使うに当たっては、もし重篤な副作用が発生してもその副作用に関する保障がなされることがあります。
(独立行政法人医薬品医療機器総合機構が窓口となっている「医療品副作用被害救済制度」が薬などで副作用が起きた場合の相談を受けてくれます。)

しかし個人輸入で使用している薬に関しては、副作用に関する保障がなされないことがほとんど。

海外の人に向けて作ってある薬はしばしば日本人には強すぎる場合があるので、一般的な頭痛薬などでも日本人には合わないことが。

こうした事情があるので、個人輸入で取り寄せた薬が、たとえ海外の人には問題なくても、日本人の体質には合いにくい場合も多く考えられます。

けれども個人輸入をした薬では、何か問題が起きても保障をしてくれるところもなく、苦情を申し立てられる先も海外なので英語などでは思うように申し立てできず……で泣き寝入りになることは少なくありません。

日本で認可されているむずむず脚症候群の薬は確かに欧米と企画すると少なくはあるのですが、現状では個人輸入などの方法をとるよりも、国内で認可された薬を使用する方が、アフターフォローを含めても安全性は格段に高いということになります。

むずむず脚症候群に効果的な薬の種類

むずむず脚症候群(病院での診察上では「レストレスレッグス脚症候群」または「下肢静止不能症候群」)で治療に用いられる保険適用薬は次の2系統3種類です。

ドーパミン受容体作動薬
プラミペキソール、ロチゴチン
抗てんかん薬
ガバペンチンエナカルビル

次にこの2系統3種類の薬についての詳細をご紹介します。

むずむず脚症候群治療薬:ドーパミン受容体作動薬

ビ・シフロール錠(日本ベーリンガーインゲルハイム)

現在むずむず脚症候群の治療に用いられることがあるドーパミン受容体作動薬の「プラミペキソール」は一般名で、使用される薬の商品名で1番多いのは日本ベーリンガーインゲルハイムが販売している「ビ・シフロール錠」。

2010年1月より健康保険適用で「むずむず脚症候群の治療」に使えるようになった薬で、それまではパーキンソン病の治療薬として用いられてきた歴史があります。

ビ・シフロール錠は、脳内物質であるドーパミンと類似した働きをする薬で、このことから当初はパーキンソン病の治療薬として使用されていたのです。

ただ、むずむず脚症候群の原因がドーパミンの異常と考えられていることから、欧米ではプラミペキソールが治療の第一薬として用いられてきました。

こうした背景があり、日本でもむずむず脚症候群の人へ治験をしたところ、日本での臨床試験においても、薬を服用して1週間で症状改善の効果が見え始める人が8割にも及びました。

このような経過をたどって、日本でもむずむず脚症候群の治療薬として使われるようになったのです。

※ビ・シフロール錠服用の注意

ビ・シフロール錠は、大人の場合で1日1回、就寝の2~3時間前に飲むのが一般的です。

服薬量としては0.125mg から投薬を始め、症状の改善具合を見ながら1日0.75mgを超えない範囲で増やすことができます。

ただ多くの場合、0.25mg ぐらいまでの量で症状が落ち着くことがほとんどです。

ビ・シフロール錠はむずむず脚症候群の治療薬として使用された国内での歴史が1番長くなるため、それだけ使用例が多くなり、安全性も確保されています。

けれども副作用がないわけではないので、副作用を避けてなるべく少ない量で使用することが望ましいとされていて、増量に関しては1週間以上をかけて慎重に行うのが通常の治療です。

ニュープロパッチ(大塚製薬)

2013年2月から満を持して発売が開始された「ニュープロ」はビ・シフロール錠と同様にドーパミン受容体作動薬。

薬としては飲むタイプの薬ではなく「貼り薬」という点が、むずむず脚症候群の治療薬として使われている薬の中では画期的なポイントとなっています。

貼り薬ということで、薬の吸収は皮膚からじわじわとゆっくりなされます。

こうした吸収の方法によって、血液中の薬の濃度が1日中ほぼフラットな状態で保てるのが良い点で、夜以外にも症状が出やすい人にとって、非常に使いやすい薬となっています。

また、ニュープロに関しては、ビ・シフロール錠と比較して「症状促進現象」が少ないのも特長とされています。

症状促進減少とは、薬を使い続けることで、最初の投薬量では効果がなくなってくるという現象です。

例えば最初は1錠だけで症状を抑えられていたのに、投薬を続けすぎて同じ症状に対しても1錠の薬を使うだけでは効果が得にくくなってくる……というのが「症状促進現象」の1つです。

この症状促進現象に関して、ヨーロッパで行われた調査では、ニュープロを使用した人の5%にしか現象が見られなかったと報告されているのです。

※ニュープロ使用上の注意

むずむず脚症候群の治療に用いられるニュープロには3種類の大きさがあります。

ほとんどの場合は、最初は2.25mgの1番小さいものを1日1回貼るところから始めます。

貼る場所は肩、上腕部、お腹、お尻、太もものいずれかの部分で、増やす場合は1週間ごとに2.25mgずつで、最大でも6.75mgまでとなっています。

抗てんかん薬

レグナイト(アステラス製薬)

一般名「ガバペンチン エナカビル」は、ここまでにご紹介したビ・シフロール錠やニュープロとは異なる作用がある薬です。

上でご紹介した薬は脳内のドーパミンに関して作用をする薬でしたが、こちらはそもそも抗けいれん薬や鎮痛剤として使われるガバペンチンを改良した薬なのですね。

ガバペンチンとは脳内のGABA系神経の働きを高め、けいれんを抑制したり痛みを緩和したりする作用がある薬です。

当初はこうした作用があることから、抗てんかん薬として使用されていたのですが、むずむず脚症候群の治療にも使えるということで、利用が始まりました。

ただ、当初のガバペンチンは胃腸からの吸収率が人によって異なってしまうため、効果のある人とない人の差が大きくなるという欠点もありました。

その点を改善したのがレグナイトで、レグナイトは胃腸からの吸収がされやすく、血中の薬の濃度もより長い時間保たれるようになりました。

またレグナイトは、むずむず脚症候群の症状を抑制することで、不眠も改善できるようなり、QOLを上げてくれることにも繋がる薬でもあります。

先にご紹介したビ・シフロールは、一時的な症状の改善には大きく貢献をしてくれるのですが、脚の症状が治まっても不眠が残る場合があるので、むずむず脚症候群の症状と不眠に悩んでいる人にはレグナイトが効果的に作用することが多いのです。

※レグナイト使用上の注意

レグナイトはむずむず脚症候群と並行して持ち合わせている人が多い「周期性下肢運動障害」への効果は弱いです。

また、レグナイトも使用開始は少量から始め、効果などを見つつ量を増やすのが一般的です。

多くの場合は、1日1錠(300mg)から開始して、しばらく様子を見た後に2錠(600mg)へと増やしていくのが良い方法のようです。

ただ、腎臓への影響が考えられることもあるので、腎臓が悪い人などは1日1錠までに留めておくのが大事です。

むずむず脚症候群の治療に薬を使用することで出てくる副作用

一般的に市販されている身近な薬(風邪薬や頭痛薬など)でも、薬というものには「副作用」がつきものです。

市販薬は基本的に処方薬よりも有効成分が少なくしてあるのですが、それでも副作用が出る場合はあるので、処方薬に関しては押して図るべしといったところ。

ここからはむずむず脚症候群で使用される代表的な3つの薬に関する副作用をご紹介します。

ビ・シフロール錠の副作用

  • 消化器系の副作用
  • ビ・シフロール錠の副作用で代表的なものは消化器系の不調で、吐き気や胃の不快感です。

    ほとんどの人はちょっとした不快感で済むのですが、人によっては吐き気では収まらず実際に嘔吐をしてしまうことも。

    あまりに強い消化器系の不快感は生活の質を落としてしまうので、速やかに医師に相談することをおすすめします。

  • 眠気などの副作
  • ビ・シフロール錠に関しては、胃腸の不快感以外に、眠気も大きな副作用になる場合があります。

    強い眠気、突発的な入眠などの副作用が報告されているので、服用中は自動車の運転、機械の操作、高所での作業は大変危険なので従事しないようにしてください。

  • 症状促進現象
  • ビ・シフロール錠は、今回ご紹介している3つの薬の中で、最も「症状促進現象」が強い薬です。

    症状促進現象とは、先述の通り、使っているうちに効果が薄くなるという現象で、効果を得るためにはよりたくさんの量が必要になるということです。

    ですから、ビ・シフロール錠については長期間の使用が基本的にNG。使用は短期間もしくは一時的な症状抑制に対するのが基本です。

ニュープロパッチの副作用

ニュープロは薬の成分のせいで出てくる副作用は3つの薬の中で最も低くなっています。

ただ、貼り薬ということで、多くの場合、貼った部位が痒くなるという声が聞かれます。

特に皮膚が過敏な人や乾燥しやすい年配の人にはそうした声が多いので、ニュープロを貼りつける前に保湿剤を塗っておくのがおすすめです。

さらに、できれば貼る場所を都度で変えるなど、同じ場所に貼り続けないことも大事です。

レグナイトの副作用

レグナイトも3つの薬のなかでは副作用の比較的少ない薬ですが、飲み始めの時期にふらつき・眠気が生じることが確認されています。

このため、レグナイトを飲んだ後に自動車を運転することは禁止されており、もちろん高所での作業や機械の操作も控えるべきとなっています。

他には、レグナイトには周期性下肢運動障害の症状についての効果は弱くなるので、周期性下肢運動障害を併発している人については医師と相談をし、使用の計画をしっかりと立てたり、使用する薬を変更することを検討する必要が出てきます。

むずむず脚症候群の薬の副作用が強く日常生活に支障がある場合

ここまでにご紹介した薬を使用することで、強い副作用が生じたり、副作用のために日常生活をスムーズに過ごすことが難しい場合には、すぐに医師に相談をすることが大切です。

一時的に薬の使用を中止したり、場合によっては副作用を抑えるための治療が必要になることもあるからです。

さらに、副作用によって日常生活に困難が生じているということであれば、先にご紹介している「医療品副作用被害救済制度」について、独立行政法人医薬品医療機器総合機構へ相談をすることをおすすめします。