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むずむず脚症候群にサプリメントを活用

むずむず脚症候群の症状を緩和したり、少しでも症状が出ないように工夫するために、薬を使う治療をすることはあります。

しかし、まだ投薬によって治療をするほどでもないな……と感じる時や、投薬治療の効果をもっと上げたいな、という時にできる個人的な努力というものもあります。

その努力の一環で使えるのが「サプリメント」による栄養バランスの補助。

実はむずむず脚症候群の症状が強くなるきっかけには、ある栄養素の不足があると考えられているのです。

今回は、むずむず脚症候群の症状緩和につながる「サプリメント」のお話です。

この記事を読むことで

  • むずむず脚症候群を改善するためにはどんな栄養素を意識すればいいのか?
  • むずむず脚症候群を解消するために気をつけたい食事習慣やサプリメントの活用の仕方

がわかるようになります。ぜひ参考にしてみてくださいね。

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見出し

むずむず脚症候群は「どんな栄養素」が不足していて誘発される?

むずむず脚症候群の症状が出てきてしまう原因の1つに、ドーパミンという脳内物質の異常があります。

まずはこのドーパミンについてご説明します。

ドーパミンとむずむず脚症候群

私たちは、日々の生活の中で色々な刺激を感受しながら生きています。

そして、その受けた刺激は記憶され、危険を回避したり、同じ刺激をもっと求めたりすることもあります。

例えばひどく熱いものを触って火傷をしたことがあれば、ある一定の温度以上のものを触れば「危険」という判断を脳がすることができます。

一方で、猫や犬を触ることを心地いいと記憶すれば、猫や犬を見ただけでも、触った時の感触が思い出され、また触れたいと思うようになったりしますよね。

こうした外的刺激は、人間では神経を介して脳に伝わるわけですが、神経というのは指先から脳内まで1本の糸のように途切れく続いているものではありません。

神経は「情報を送付する側」と「情報を受け取る側」の間に少し隙間をもっているのです。

例を挙げれば、体が受け取った刺激は、私たちが伝言ゲームをするように脳に伝わるということです。

伝言ゲームでは、情報を送る側と受け取る側に隙間がありますよね。そこで情報を正しく伝えようとすると、伝える側は受け取る側の耳に手を添えて、はっきりとした言葉で伝える必要がでてきます。

伝言ゲームの際の「音声」が、神経でいうところの「神経伝達物質」に当たります。

そしてこの神経伝達物質こそ、今回取り上げている「ドーパミン」なのです。

ドーパミンという神経伝達物質は、ただ外部からの刺激を脳に伝えることに働くだけでなく、情報の取捨選択もしています。

私たちは生活の中で本当に多くの外部刺激を受けているのですが、もしこうした刺激を全て重要な情報として脳に伝えていては、脳内は刺激の多さにパニックを起こします。

ですから、ドーパミンが「より伝えなければならない情報」を予めカットしてくれることで情報を整理してくれています。

ではもし、このドーパミンがうまく情報伝達できなくなれば、どういったことが起きるでしょうか?

そうです、ドーパミンがきちんと正しく働かなくなると、わずかな情報が脳に伝わってしまい、脳が混乱したり、逆に届かなければいけない情報が届かなくなり、危険にさらされることになったりするのです。

むずむず脚症候群の場合は、状況としては前者で、わずかな刺激も届くようになることで、ちょっとした刺激などが「むずむず」につながるようになるのですね。

ですから、むずむず脚症候群の症状を緩和するためには、ドーパミンを正しく機能させるようにするための薬が有効に作用するのです。

日常生活でむずむず脚症候群を抑えるためには「鉄分」がポイント?

ここまでの話の中で、むずむず脚症候群に「ドーパミン」が深くかかわっていることはご理解いただけたかと思います。

むずむず脚症候群の症状が重い場合には、不眠になったり、日中でも症状が出てきたりするために生活の質が大きく落ちることになります。

こうしたときは、ドーパミン受容体作動薬という種類の薬を使ったり、抗てんかん薬などを使用してむずむず脚症候群の症状を緩和させることもあります。

ただ、頻回に症状がでるというわけではない場合などは、薬の処方をしてもらえることばかりではないので、自己努力で症状を緩和することを考える必要が出てきます。

さらに、処方箋薬をもらっていたとしても、薬の種類によっては長期間の投薬がNGな薬もあるので、使用には注意が必要なことも多くあります。

そうした際に、薬だけに頼らずに症状を改善していくには、日々の生活の中で症状を緩和できるように考えなければなりません。

ではどうすれば日常の中でむずむず脚症候群の症状を緩和させるようにできるのかというと、そこにはある栄養素がかかわってくるのです。

それは「鉄分」。

むずむず脚症候群に罹患している人は、性別の割合で男:女=1:1.5という割合で女性の方が多くなっています。

むずむず脚症候群の症状を持つ人に女性が多いのには、色々と複合的な原因や理由がありますが、1つには女性の方が男性よりも「鉄分」が不足していることが多いという問題があります。

月経を迎えた女性は周期的に血液がなくなるので、どうしても血液の中の鉄分を失う機会が増えます。

鉄分はドーパミンを作る酵素の「補酵素」としての役割があるので、十分な鉄分がない場合は、ドーパミンが作れなくなるのです。

そうすると、正常な刺激の伝達に異常が出るため、むずむず脚症候群の症状が重くなってしまいます。

そしてこれはここ十年ほどの研究で明らかになってきたことですが、むずむず脚症候群には「鉄代謝」が深くかかわっていることがわかってきました。

ある調査で、むずむず脚症候群の症状に悩む高齢者を集めて、2か月にわたり鉄分の補給をしたところ、調査に参加した患者の約3分の1の人が、むずむず脚症候群の症状を改善できたという調査結果が得られました。

さらにこの症状が改善した患者について詳しく調査をしてみると、鉄分の補給をしてむずむず脚症候群の症状が改善した患者は、そもそも体内における鉄とタンパク質の複合体「フェリチン」の血中濃度が低かったということなのです。

つまり、むずむず脚症候群の症状が改善することには、ドーパミンを生成するための鉄分の補給も必要ですが、それと同時にフェリチンを生成するための鉄分補給も必要ということがわかったのです。

こうした調査結果から、むずむず脚症候群の専門医のなかには、血中の鉄分を調べる際に、血中のフェリチン濃度を調べることをすすめる医師もいます。

血中のフェリチン濃度が低い→むずむず脚症候群の症状が出やすい、ということにつながっているのであれば、血中のフェリチン濃度を上げることでむずむず脚症候群の症状を緩和することができると考えられますからね。

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むずむず脚症候群の症状を起こさないための栄養素

ドーパミンを生成するためでも、フェリチンを増やすためでも、いずれにしてもむずむず脚症候群の症状を緩和するためには「鉄分」が重要な栄養素になることはここまでにお話しした通りです。

では日常生活の中でどのような工夫をすると、鉄分がしっかり摂取できるようになるのでしょうか?

むずむず脚症候群を食事療法で考えるなら

時間や料理に対する余裕があるなら、やはり日常の食事を整えるのが1番です。

鉄分だけでなく、その他の栄養素もバランスよく摂取するのが健康な体を作るためには必要不可欠なことですので、鉄分をしっかり摂取することを念頭に置いて、栄養バランスを整えた食事を摂るように心がけましょう。

また、先の項でお伝えした「フェリチン」ですが、このフェリチンとは簡単に言うと「貯蔵鉄」と言われています。

そう、フェリチンとは体に蓄えられている鉄分のことなんですね。

この貯蔵鉄が不足すると、ヘモグロビンの生成ができなくなるので、貧血を起こすことにつながります。

フェリチンは通常使われる鉄分が不足したときに用いられる鉄分でもあるのですが、どうすればいつもしっかりと補充していられるのかというと、やはり鉄分を多く含んだ食事を摂ることと、体に鉄分を吸収しやすい食材を合わせて摂取することに限ります。

むずむず脚症候群の予防に鉄分をしっかり吸収するために

鉄分といえば「ほうれん草」を思い浮かべる人もまだ多いのですが、実際にはほうれん草に含まれる鉄分は「非ヘム鉄」と呼ばれる鉄分で、体への吸収率はあまり高くありません。

一方で、レバーや魚の赤身などは体に吸収されやすいヘム鉄を豊富に含んでいるので、せっかう食べるのであればヘム鉄を多く含んだ食事を摂ることをおすすめします。

また、鉄分はビタミンCやビタミンB12、ビタミンEなどと一緒に摂取することで体への吸収率が上がるので、食べ合わせにも工夫をすることが大事です。

逆に、体に良さそうですが玄米やライ麦パン、緑茶やコーヒーなどと一緒に鉄分を摂ると鉄分の摂取を阻害してしまうので、鉄分を体に増やしたいときはこうした食材を摂取することを避けた方がよいでしょう。

普段の食事で上手にむずむず脚症候群に効果的な栄養素を摂取するには?

ここまでで、むずむず脚症候群の症状を緩和するためには鉄分やビタミンをバランスよく摂取することが大事であることをお伝えしました。

しかし日々のなかで上手に鉄分を摂取するのはなかなか難しいもの。

忙しい時はサプリメントで補うのはもちろん良い方法ですが、たまには自然の食事から健康的に鉄分などを摂取することも忘れないようにしたいもの。

最後に、鉄分を上手に摂るための食材の組み合わせやレシピをご紹介します。

むずむず脚症候群役立ち情報1:鉄分を摂取しやすい食事

  • 肉類では?
  • 鉄分を多く含む食材といえばやはりレバー。

    ただ、豚や牛の赤身にも吸収率の良いヘム鉄が多く含まれているので、レバーが苦手な人は豚肉や牛肉の赤身を食べると良いですね。

  • 魚介類で鉄分を摂るには?
  • まずはあさりやシジミ、カキなどの貝類には多くの鉄分が含まれているので、肉類での鉄分摂取が難しい人はこうした食材で鉄分を摂取すると良いでしょう。

    他にはイワシや煮干しなどにも多くの鉄分が含まれていますよ。

  • 豆類で鉄分を摂るには?
  • 豆類には鉄分が含まれていることもありますが、ヘモグロビンと鉄分を結びつける銅も含まれいてるので、貧血対策にばっちりです。

    大豆製品の豆乳、納豆、枝豆はもちろん、そら豆も鉄分補給に役立ちますよ。

  • 野菜類から鉄分を摂るには?
  • 野菜類の鉄分は基本的に「非ヘム鉄」と呼ばれる鉄分なので、そのまま摂取してもなかなか体への摂取はすすまないかもしれません。

    しかしながらほうれん草やパセリ、モロヘイヤ、小松菜などの非ヘム鉄を多く含む野菜には、鉄分の摂取を助けるビタミンも豊富なので、栄養素が逃げないように食べることができれば、鉄分不足に効果的です。

むずむず脚症候群役立ち情報2:鉄分を摂りやすい常備菜レシピ

鉄分の摂取を日常的に行いたい人は、1つでも「鉄分たっぷり常備菜」を覚えておくとよいですよ。

ここでは色々なメディアでも取り上げられる話題の常備菜レシピ「鉄分たっぷりの切り干し大根」レシピをご紹介します。

材料
  • 切り干し大根…60g
  • 油揚げ…2~4枚(200g)
  • えのき茸 …2袋(400g)
  • かつお節 …20g
  • 水 … 100cc
  • 酢 … 大4
  • しょう油 … 大4
  • みりん … 大4
  • ショウガ(すりおろし) … 2かけ
  • すりゴマ … 大8

※切り干し大根とえのき、かつお節は鉄分食材なので、しっかり鉄分が摂れますよ。

手順
  1. )切り干し大根は「水で戻さず」さっと洗うだけにする。これは栄養素と旨味を流さないため。
  2. )切り干し大根は食べやすく小さめに切って、水100ccにつけておく。油揚げも細切り、えのきは食べやすい大きさに切る。
  3. )油揚げをフライパンで炒める(※このとき余計な油は使用せず、油揚げから出る油だけで炒めるようにする)
  4. )炒められた油揚げに、えのき、酢、しょうゆを加えてさらに炒める。
  5. )炒められた4に切り干し大根を加え、さっと炒めたら火を止める。
  6. )ショウガのすりおろし、かつお節、すりゴマを入れたら完成。

常備菜は色々なアレンジで味を変えることもできますし、3食食べても飽きることはないですよ。

例えば常備菜+ソーセージ+ピーマンをケチャップで炒めると、それだけでアレンジケチャップ炒めになります。

これを作れば冷蔵庫で1週間はもつので、1週間楽に鉄分補給をすることができますよ。

忙しい人のためのむずむず脚症候群を予防するサプリメント

食事の中で鉄分を上手に摂ることができれば、それにこしたことはありませんが、今の時代、なかなか栄養バランスの整った食事を続けるのは難しいですよね。

では栄養バランスの整った食事が摂りづらい人はむずむず脚症候群の症状緩和を諦めなければいけないのかというと、そんなことはありません。

現代は忙しい人の味方、サプリメントが豊富です。

むずむず脚症候群の症状を緩和したいと思うのであれば、先に挙げたヘム鉄を中心に、ビタミンC、ビタミンB12、ビタミンEなどを一緒に摂取すると良いでしょう。

サプリメントの中には、鉄分もビタミン類も合わせて配合してあるものも多いので、そうしたサプリメントを摂れば手っ取り早く鉄分不足の解消ができるようになるでしょう。