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むずむず脚症候群の治療薬とは?

むずむず脚症候群で昼夜(特に夜間)に渡って軽いイライラを募らせる日が続くと、寝不足や寝不足に伴う日常生活の質の低下などから、気分は悪循環を巡ることに……。

現在のところ、むずむず脚症候群の治療には、生活リズムの改善や食事内容(栄養内容)の改善など、どちらかというと個人的に頑張ることを求められることが多いのが実状ですよね。

しかもむずむず脚症候群には「これを飲めば一発で症状が改善する!」という特効薬がないので、たとえ再発をしても薬があるから大丈夫!という安心感も持てません。

根治的な治療の難しいむずむず脚症候群ではありますが、だからと言って治療や改善への努力を諦めて、よあまりにも心身が疲弊するのは全く良いことではないことはあなたもよく理解できるはず。

自分の努力でどうにもならない場合は、しっかりと専門医を訪ねて、対症療法的になっても一時的に症状を抑えられる薬を服薬をした方が、症状の出方も生活の質も改善します。

今回はむずむず脚症候群の治療で使われることのある「薬」についてご紹介します。

自分の症状はどうにも自力でむずむず脚症候群を改善することが難しい…と肩を落とすあなたに、ぜひ役に立ててもらいたい情報です。

むずむず脚症候群の「何に」効果があるの?「どうして」効果があるの?

まず、むずむず脚症候群の治療に用いられる薬についての軽い知識として「むずむず脚症候群の治療にはドーパミン受容体作動薬が第一選択として使用される」ということを頭に入れておいてください。

ドーパミン受容体作動薬というのは、むずむず脚症候群の治療の他には「周期性四肢運動障害」の治療に用いられることが多い薬になっています。

周期性四肢運動障害とむずむず脚症候群には浅からぬ繋がりがあり、卵と鶏の論争のようになってしまいますが、むずむず脚症候群の患者さんの中には周期性四肢運動障害を併発している(もしかしたら周期性四肢運動障害の人の中にむずむず脚症候群の人が多いともいえるのかもしれませんが)人が多くいるのですね。

割合としては、周期性四肢運動障害の人の5割〜8割にむずむず脚症候群の症状を持つ人いるという調査もあります。

こうした事情もあり、いむずむず脚症候群・周期性四肢運動障害のいずれの治療に用いるためでも、ドーパミン受容体作動薬が効果ありということになるのかもしれません。

どうしてドーパミン受容体作動薬がむずむず脚症候群に効果あるの?

ここまでに、むずむず脚症候群の治療には「ドーパミン受容体作動薬」が効果ありなことが多いとお伝えしてきましたが、ではなぜドーパミン受容体作動薬がむずむず脚症候群に効果を見せるのでしょうか?

ドーパミン受容体作動薬は、服薬すればドーパミンが活発に分泌される類の薬ではなく、ドーパミン受容体の働きを活性化するための薬です。

むずむず脚症候群というのは、その原因の1つにドーパミンの機能障害があるんですよね。

このドーパミンの機能障害がドーパミン受容体作動薬を使うことによって、改善すれば(具体的ンはドーパミンの伝達が他の器官との間でしっかりスムーズにできるようになれば)、むずむず脚症候群の症状も治まるというわけです。

ドーパミン受容体作動薬の中でもむずむず脚症候群に使われるのは…

むずむず脚症候群の症状に悩む人に用いられるドーパミン受容体作動薬として1番多いのは「プラミペキソール」という種類のドーパミン受容体作動薬です。

この薬が体質に合えば、むずむず脚症候群の症状は、日常生活に支障がなくなる程度まで回復することが多いですね。

睡眠不足によるイライラや、日中のむずむずに対する不快感が軽減するだけでも、生活の質は格段に向上するので、むずむず脚症候群の症状に悩まされていた人は多くの人が大変嬉しいと話します。

ちなみに…「イブプロフェンの頭痛薬」と言っても市販薬にいくつも種類があるように、「プラミペキソール」と言っても薬の種類はいくつもあります。

有名なものは2つで「ビ・シフロール」と「ミラペックスLA」で、現在むずむず脚症候群の症状を抑制するために使えるのは「ビ・シフロール」。

「ミラペックスLA」は状むずむず脚症候群の症状緩和という目的に使用するためでは認可が下りていないので、こちらをむずむず脚症候群の症状緩和へ使うことはできません。

むずむず脚症候群の治療薬その1:プラミペキソールの詳細

2010年1月から健康保険適用になった錠剤の薬で、臨床試験ではむずむず脚症候群の患者の約8割に症状緩和の効果があったという研究データが報告されている薬です。

むずむず脚症候群以外では、パーキンソン病の治療にも使われてますが、むずむず脚症候群での治療に使用する場合は、パーキンソン病の治療に使用されるよりも少ないミリ数で症状緩和の効果があるとされています。

プラミペキソール以外にもむずむず脚症候群の治療に使える薬はいくつかある

ここまでにご紹介してきたドーパミン受容体作動薬のプラミペキソール。

その中でもビ・シフロールという商品名の薬が、むずむず脚症候群の症状緩和には最もよく使用されるのですが、それ以外にもむずむず脚症候群の症状緩和に対して使われる薬があるので、ご紹介します。(下記のうち、保険適用されるのは、プラミペキソールとロチゴチンです。)

種類名: 商品名
プラミペキソール: ビ・シフロール
タリペキソール: ドミン
ロピニロール: レキップ
ロチゴチン: ニュープロパッチ

上記のうち、最後にご紹介した・ロチゴチン(商品名:ニュープロパッチ)は皮膚に貼り付けて使うお薬で、むずむず脚症候群の症状緩和については新薬になります。

体に貼り付けるタイプ(湿布薬のように)のドーパミン受容体作動薬は世界初。

身体に貼り付けることで薬のなかの有効成分が血中で維持される時間を長くすることができ、効果が長時間持続するのが特徴です。

効果が長時間維持できるということは、むずむず脚症候群の症状が夜の就寝時だけでなく、夕方くらいから現れる人にとって大変ありがたい薬になっていくのであろうと期待がとても大きい薬でもあります。

ただ、現状ではニュープロパッチの値段は他のむずむず脚症候群の症状緩和に用いる薬よりも高額であるため、最初からニュープロパッチを使うことはまずありません。

大体がこれまで通りにプラミペキソールを試してみて、症状の改善があまり見られないということであれば、ニュープロパッチを使うという流れで処方がされる感じですね。

値段は多少高くても構わないから、最初からニュープロパッチを使いたい!という希望があれば、一度医師に相談をしてみて、一緒に治療方針を考えてみると良いでしょう、

むずむず脚症候群の治療薬その2:ロチゴチンの詳細

2013年2月に発売された貼り薬で、肩や大腿部などに1日1回貼りかえるだけで、24時間にわたって安定的に薬剤の効果が持続します。

長時間効果が持続するので、日中おm症状が出る人に適しており、服用を続けるうちに効果の弱くなる(症状促進減少)ことも少ないのが特徴です。

ドーパミン受容体作動薬の副作用

ここでご紹介したドーパミン受容体作動薬は、むずむず脚症候群の症状が改善する一方で、薬であるのでやはり副作用が確認されています。

主な副作用は次の通りです。

  • 強い眠気、突発的な睡眠(傾眠)→服用中の自動車の運転、機械の操縦、高所作業は避ける必要があります。
  • 投与初期にめまいや立ちくらみといった「起立性低血圧症状」が起こりえます。
  • 他の抗パーキンソン病の薬と併用した際に、ジスキネジア、幻覚、妄想、錯乱が発言することがあります。
  • 病的賭博、病的性欲亢進、強迫性購買、暴食などの「衝動制御障害」が起こることがあります。
  • ニュープロパッチのような貼り薬の場合は、貼った部分に痒みや小水疱などの皮膚症状が出る場合があります。敏感肌の人は同じ個所の貼り続けるのを避けましょう。

むずむず脚症候群の治療薬その他:今ではあまり使われませんが……

現在ではむずむず脚症候群の症状緩和に使われることは少ないのですが、一時期はドーパミン製剤であるレボドパやL-DOPAという薬もむずむず脚症候群の治療に良く用いられていました。

ドーパミン製剤というのは、体内に摂り込まれ、脳内に成分が届くと、ドーパミンそのものに変化する薬です。

ドーパミン受容体作動薬が「ドーパミンの授受をスムーズにする」のに対し、ドーパミン製剤はドーパミン自体を増やすことで、むずむず脚症候群の症状緩和をしてくれるのです。

以上のような作用だけ見ると、ドーパミンそのものが増えるのでドーパミン製剤の方が効き目がありそうな気がしますが、基本的には現在のむずむず脚症候群の治療にはほとんど用いられることがないのが実状です。

これは、ドーパミン製剤が「長期の使用に向いていない」という側面をもつからです。

どうしてドーパミン製剤が長期の使用に向いていないのかというと、「症状の促進が起こる」のと、「反跳現象が起こる」という2つのデメリットがあまりにも大きいから。

むずむず脚症候群の治療薬にドーパミン製剤が使われない理由1:症状の促進

ドーパミン製剤を使用すると、薬を服用していなかった頃より、むずむず脚症候群の症状が強くなったり、早い時間からの症状の出現が始まるようになったりすることが多く報告されています。

特に服用開始3ヶ月以降にこうした症状促進が見られるようになったので、現在では治療に向いていないとされています。

むずむず脚症候群の治療薬にドーパミン製剤が使われない理由2:反跳現象

ドーパミン製剤を長期に渡って服用することで、だんだん効き目が弱くなり、また薬が効いている時間も短くなります。

睡眠中に薬の効果が切れると、むずむず感やイライラで夜中に目が覚め、反ってむずむず脚症候群による生活の質の低下をもたらしかねません。

むずむず脚症候群の治療薬でデメリットがあるのはドーパミン製剤だけ?

上記でご紹介した「症状促進」や「反跳現象」ですが、これはドーパミン製剤を長期に使った際にだけ現れる特有のデメリットではありません。

プラミペキソールなどのドーパミン受容体作動薬も、あまりに長期間にわたって服用をすれば、ドーパミン製剤の時と同じような現象が起きる可能性は残っているのです。

ただドーパミン製剤というのは、他の薬剤と比較して、症状促進や反跳現象を引き起こしやすいということが現在明らかにわかっていて、またむずむず脚症候群の症状緩和にはどうしても長期に渡る服薬が必要となるために、現状ではむずむず脚症候群の治療には用いられないことがほとんどなのですね。

特有のケースにおいてむずむず脚症候群の治療に用いられる薬もある

むずむず脚症候群を罹患している人の中で、どうしてもドーパミン受容体作動薬の効果が見られない人には、「抗てんかん薬」を用いる治療を施すことがあります。

むずむず脚症候群の症状緩和に用いられることのある抗てんかん薬には「クロナゼパム」という薬があります(商品名としては「リボトリール」や「ランドセン」などが有名です)。

このクロナゼパムは、神経系の活動を鎮静化する作用があるので、脚のむずむずだけでなく、イライラを和らげることにも効果的です。

むずむず脚症候群のために不眠になっている場合にも用いられることがあります。

むずむず脚症候群の治療薬番外編:その他の抗てんかん薬

クロナゼパム以外の抗てんかん薬には「ガバペンチン(商品名:ガバペン、レグナイト)」があります。

このガバペンチンは脚に痛みを伴う際に使用されることが多い薬で、むずむず脚症候群の治療に用いられる歴史は長くありませんが、日本、そしてアメリカでの臨床実験では高い有効性が確認されている薬となっています。

さらにガバペンチンは、服薬による症状促進や反跳現象が少ないこともわかっているので、むずむず脚症候群の治療に対して、新しい選択肢の1つとして注目をされている薬でもあります。

むずむず脚症候群の治療薬に抗てんかん薬が使われる際の副作用について

抗てんかん薬における副作用では、眠気や注意力・集中力・反射運動能力の低下などが挙げられます。

このため、服用中の自動車運転や機械の操縦は避けておく方が良いでしょう。

また霧視や目の調節障害などの「眼障害」が起こることも報告がありますし、まれに急性腎不全、皮膚粘膜眼症候群、薬剤性過敏症候群、肝機能障害が起こることもありますので、何か不安な症状が見られる時は、すぐに担当医に相談をするようにしましょう。

ここでご紹介したような副作用は、比較的誰にでも、頻回に起こるような副作用から、極めて稀に起こるケースまで様々です。

ただ、投薬中に何か異変を感じた時は、先述した通り、速やかに担当医や専門医に相談をして、一先ず投薬の減量・中止を考えると言った処置が大変重要になります。

むずむず脚症候群に対する投薬で覚えておきたいこと

ここまでに、むずむず脚症候群に用いられる薬の種類や効能をご紹介してきましたが、いずれの薬に関しても、念頭に置いておくべきことがあります。

それは「むずむず脚症候群に対する薬物療法は飽くまで対症療法である」ということ。

ですから、薬を用いたところで、根治するわけではないですし、さらに投薬を始めると継続的に=長期的に薬を用いることになる場合が多いということもしっかり頭に入れておく必要があります。

これはどの病気のどの治療薬でも一緒ですが、薬を長期的に使えば、副作用が出てくるのは致し方ありません。

むずむず脚症候群の治療薬でも、種類によって副作用の強弱などは異なりますが、多くは頭痛やめまい、吐き気などが起こることは報告されています。

こうしたことを考慮しても、むずむず脚症候群の症状を緩和することの方が自分にとって重要!という時は、薬を用いて症状を緩和した方が生活の質は上がります。