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妊娠中のツラいむずむず脚症候群

妊娠期間中というと、これから妊娠を望む女性にとっては「お腹に赤ちゃんがいて幸せを感じる時期っぽい」というイメージを持つ人はたくさんいます。

実際にお腹の赤ちゃんが育って、胎動がわかるようになれば、ママとしての幸せも増えてくるのですが、一方では妊娠中はつわりや行動制限など、ちょっとナーバスになることがあるのも事実。

そんなナーバスな悩みの1つに、妊娠中に起こる「むずむず脚症候群」があります。

今回は妊娠中のむずむず脚症候群についてスポットを当てます。

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むずむず脚症候群は妊娠中の女性の多くが罹るって本当?

通常、妊娠をしていない人のむずむず脚症候群の罹患率は人口比にして多くて5%くらいと言われています。

しかし、これが妊婦さんだけに限るとなんと妊婦さん全体の20%に及ぶ人がむずむず脚症候群の症状で悩んでいるもしくは悩んでいたという調査結果があるんです。

妊婦さんの全体の20%というと、5人に1人の割合で妊婦さんはむずむず脚症候群の症状に悩んでいるということです。

妊婦さんでない人の割合から見て、どうして妊婦さんに限ってこんなに罹患率が上がるのでしょうか?

妊婦とむずむず脚症候群の切っても切れない関係

妊婦さんは「妊婦」と言っても、妊娠初期から臨月にいたるまで状況によって体に感じる負担や体質が変わってきます。

妊娠初期ではつわりが重くても、中期になればつわりは大分改善しますし、逆に妊娠中期以降になると、赤ちゃんが育ってきて便秘や体のむくみに悩んだりするようになります。

こうした妊娠週数の違いもあって、妊婦さんと一括りにするのは難しいのですが、一般的な傾向として、妊娠している女性は胎児を育てる必要性から自分自身の鉄分が不足してくる傾向があるというのは共通しています。

鉄分というのは、むずむず脚症候群の原因に関わってくるドーパミンという神経伝達物質を作る材料になるものです。

また貯蔵鉄(フェリチン)と呼ばれる鉄分もむずむず脚症候群の症状発現に大きくかかわるとされているのですが、このフェリチンと鉄分も深くかかわっているのです。

妊婦さんの鉄分不足はこのように、むずむず脚症候群の症状を引き起こすことに絡んでくるため、妊娠時期の女性にはむずむず脚症候群が増えるのではないかと考えられています。

このことに加えて、妊娠週数が進んでくると、お腹が大きく出っ張ってくるので背骨がお腹に引っ張られるように曲がり、脊髄の神経を圧迫するようになります。

背骨が曲がり脊髄が圧迫されれば、中を通る太い神経が影響を受けることになるので、きちんとした神経伝達ができなくなることが多く、その結果として足にむずむずなどが生じると考えられています。

妊娠中のむずむず脚症候群が多い時期

鉄分不足が起因となるむずむず脚症候群の場合は、妊娠週数に限らず初期でも中期でも臨月でも症状が発現します。

しかし鉄分不足が原因だ!とわかっている場合は、鉄分を補給することで症状が緩和してくるのですが、残念なのは妊娠週数が進んで、脊髄圧迫によってむずむず脚症候群の症状が出た場合。

この場合はツライですが赤ちゃんを出産するまで症状が治まらないことがほとんどです。

妊娠初期や中期までに感じたむずむず脚症候群の症状は、鉄分補給で改善した人も、妊娠後期のむずむず脚症候群の症状についてもなかなか打つ手がないのが現状です。

もしできるのであれば、妊娠後期に胎児の重さ以上の負担を腰にかけないようにすることを徹底するのがgood。

寝る際には(お腹が大きいと仰向けはすでに無理だと思うので)横向きでお腹の下にクッションなどを置いて、腰や脊髄に負担をかけない眠り方を編み出すのが良いでしょう。

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妊婦でもできる安心なむずむず脚症候群対策法は?

妊婦さんがむずむず脚症候群の症状に悩むとき、何がツライってお薬が自由に使えないことがしんどいんですよね。

むずむず脚症候群の症状を緩和する薬は現在3種類の薬が主要に使われているのですが、こうした薬は妊娠中はもれなく使うことができません。

出産後も母乳育児をしたければ使うことができない薬です。

ですから妊娠中の女性ができるむずむず脚症候群の対策と言えば、薬物を使用しない対策法になります。

妊婦さんのむずむず脚症候群対策1:カフェインは徹底して控える

妊婦さんになるとそもそもカフェインの摂取をしなくなる人がほとんどなのですが、最近は1日1杯程度のカフェインなら(摂らないことでイライラを増やすことに比べれば)大丈夫と言われるようになっています。

しかし、むずむず脚症候群の症状で悩んでいるのであれば、この機会にカフェインの摂取は徹底的に控えるようにしましょう。

香りだけでOKなのであれば、デカフェ(カフェインレス)のコーヒーや紅茶も売られています。

カフェインは鉄分の吸収を阻害するので、妊娠中の鉄分不足に陥りやすい女性にはむずむず脚症候群の症状緩和が目的でなくても積極的に摂取しない方がよい栄養素ですからね。

またこれは妊娠中であれば常識というか鉄則のようなものですが、むずむず脚症候群の症状がツライからと言って、寝酒にアルコールを摂取するのは大NG!

妊婦さんのアルコール摂取は胎児の成長にもマイナス方向で影響を与えるので、どうしてもむずむずする…という時もアルコール以外の方法でイライラを解消するようにしましょう。

妊婦さんのむずむず脚症候群対策2:足の運動をする(行動療法)

むずむず脚症候群は、就寝前に症状が出ることが多いのですが(これは夜に体内の鉄分量が減少するため)、寝る1時間前くらいにシャワーを足に当てたり、マッサージをしたり、ちょっとしたウォーキングをしたりすることで夜中の症状発現を緩和する作用があるとされています。

お散歩など体を動かすことに関しては、月齢や体の状況によってNGがかかることもあるので、独断で始めるのはだめですが、シャワーやマッサージであれば妊娠中の冷えやむくみを取る効果もあるので、気軽に始めることができますよ。

妊婦さんのむずむず脚症候群対策3:鉄分はしっかり摂取すること

これは前述でもご紹介していますが、妊婦さんのむずむず脚症候群の症状は鉄分の摂取をすることで改善することが結構多くあります。

特に脊髄への負担がかかる前に現れたむずむず脚症候群の症状は、多くが鉄分不足と関わっていたりするので、鉄分補給をすることで改善しやすいのです。

また鉄分を体に吸収しやすくするために、ビタミンCやビタミンE、ビタミンB群を一緒に摂取することもおすすめです。

妊娠中にバランスの良い食事を心がけていると、産後の体調も戻りやすくなったり、母乳育児をしたい人は栄養価の整った母乳を作れるようになったりします。

妊娠中は自分でのコントロールできない感情の揺れや体調不良などが波のように寄せては引いて……を繰り返しますが、できる時期には自分と赤ちゃんのことをしっかり考えて、栄養バランスの整った食事と、整った生活リズムができるように心がけられると良いですね。