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ためしてガッテンでむずむず脚症候群が紹介された

2016年春よりリニューアルをされましたが、1995年から放送されている健康系情報番組の老舗と言えば「ためしてガッテン」でした(現在は「ガッテン」名で放送中です)。

健康に関する様々な問題を、調査隊による調査や実験、最新の研究などをもとに伝えてくれる人気の番組です。

さて、この番組では、過去に何度も睡眠に関しての放送がされてきました。

そこで、このサイトでお伝えしている「むずむず脚症候群」についても触れられていました。

今回はためしてガッテンでも放送後に反響の大きかったむずむず脚症候群について、脳の働きを中心にご紹介していきます。

見出し

むずむず脚症候群はただの睡眠障害?そうではありません!

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ためしてガッテンでむずむず脚症候群が取り扱われたとき、その内容は「睡眠障害」を起こす原因という感じでした。

番組的には「睡眠の悩み」ということで、むずむず脚症候群以外の原因についても触れられていました。

睡眠障害は障害を起こしている原因を明確に断定することが難しく、現在でも患者さんに正しい診断が出るのに4年近くの時間がかかるというのは珍しいことではないのです。

ただ現在は都市部を中心に「睡眠障害専門」の診療科をもつクリニックや病院も増えてきているので、睡眠障害の原因に関しては診断が早めに出ることも聞かれるようになりました。

ムズムズア症候群に限らず、何らかの原因によって睡眠障害を起こしている人は、国内に推定200万人~500万人いるとされ、多くの人が足の不快感で不眠を起こしていると言われているのです。

足の不快感と不眠……これで思い浮かぶのは「むずむず脚症候群」ですよね。

しかし、色々と調査をしてみると、ぐっすり眠れないという人の中にはまだむずむず脚症候群とまでは言い切れない症状の人も結構な割合で存在しています。

例えば足のほてりや引きつり、ちょっと足がピクピクするというような不快感は、むずむず脚症候群の症状の中にもありますが、代表的な「虫が這う感覚」はないという人も多くいます。

けれども、ここで注意をしたいのは「それはまだむずむず脚症候群が軽度である」というだけなんですよね。

ほてりや引きつりを「ただの疲労」として放置しておくと、それは紛れもなくむずむず脚症候群の主要症状を引き起こすことにつながっていくのです。

むずむず脚症候群のカギを握るのは脳

不眠症状や睡眠の悩みを引き起こすことに大きくかかわっているのは「脳」です。

むずむず脚症候群に関しては、神経伝達物質であるドーパミンの量などによってきちんと刺激の授受ができていなかったりすることが症状を発現させてしまったりするのです。

私たちは生活の中で、自分ではさして気づいていない刺激をたくさん受けて生きています。

例えばそよ風の刺激や、衣服を着脱するときの刺激は「命に危険のある刺激」ではないとわかっているので、たとえ刺激を受けていても私たちは意識しすぎることがないようになっているのです。

どうしてこのような刺激の選択ができているのかというと、私たちの脳にA11という神経細胞が存在しているから。

A11は脊髄の興奮を抑える信号を出している神経細胞で、このA11が正しく働いてくれることにより不必要な刺激の信号が「意識を阻害するほど」脳に入らないようにブロックしてくれているのです。

もしこうした刺激の取捨選択ができなかったり、少しの刺激をすごく大きな刺激として受け取ってしまうと、日常生活がままならなくなりますよね。

最近の研究で、むずむず脚症候群のような症状に関しては、何らかの理由でA11の働きが弱まっているのではないかという仮説があるということです。

A11がしっかりと働かないと、ブロックするべき刺激や脳に入ってしまい、脳は過敏状態に。

こうなると本来は意識するほどのない刺激が徐々に強い刺激に感じられるようになり、最終的に我慢しがたい不快感になり、不眠を引きおこすことになってしまったのではないかと考えられるようになっています。

また、A11によって脊髄の興奮を抑制できなくなると、脊髄反射という体の反射運動によって足が勝手に動くようなぴくつきが起こることにもなります(脊髄反射とは刺激が脳まで行くことなく、生体的に反応してしまうことで、膝の一部をたたくと勝手に足がポンと上がるような反射のことです)。

ではなぜA11の働きは弱くなってしまうのでしょうか?

これにはむずむず脚症候群の対策法としてよく用いられる「鉄補給」が深くかかわっているのでした。

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ためしてガッテンで紹介されたむずむず脚症候群はどうして寝入りばなに不快感がくるの?

基本的にむずむず脚症候群の症状が見られやすいのは「夜」とか「夕方~夜にかけて」と言われています。

中でも私たちがその症状にしっかり気づいて不快感を得るのは就寝時が多いでしょう。

実はこの「夜」という時間帯がA11や鉄分にとって大きなキーワードになる時間帯なのです。

というのも、夜というのは日中に比べて血中の鉄分濃度が低くなる時間帯だったんですね。

ドーパミンの生産についても、A11神経細胞の働きにとっても、鉄分というのは欠かせない栄養素で、鉄分が不足するということはむずむず脚症候群の症状を出やすくするということだったのです。

鉄分不足が症状の出現に関わっていることから、実際にむずむず脚症候群に悩む人は割合的には女性が多くなっています。

女性には必然的に血液が少なくなる月経があるため、血中の鉄分濃度が男性より少ないことが多いですからね。

ただし、現代は偏食が通常になっているので、男性でもむずむず脚症候群に悩む人は増えています。

そして、残念なことですが、中にはバランスの良い食事、リズムの良い生活を送っているにも関わらず、遺伝や加齢にA11神経細胞の働きが低下、むずむず脚症候群を発症する人もいます。

ガッテン流のむずむず脚症候群対策はコレだった!

むずむず脚症候群の引き起こす原因の1つと言われるA11神経細胞の働きを弱めないために、番組でも紹介されていた対策方法は次の通り。

自分に合った治療方法を見つけるのが何よりも大事なのは大前提ですが、ここからご紹介する対策はむずむず脚症候群の症状改善に当たって基本的かつ代表的なものも多いので、まだ対策をとったことがないという人は何か1つからでも試してみると良いですね。

むずむず脚症候群対策1:鉄分の補給

むずむず脚症候群の症状が発現する人の多くは血中の鉄分や血清フェリチン(別名「貯蔵鉄」)が少ない人が多いようです。

ですから、食生活の改善や鉄剤の補給によって症状が改善できることは多いですね。

遺伝や加齢によってA11神経細胞の働きが低下している時は、鉄補給だけで症状を改善することは難しいので、必ず医師に相談をして治療をするようにしてくださいね。

また、肝臓疾患などで治療をしている人は食事に気を付けるポイントがたくさんあるので、勝手に鉄剤を飲み始めず、必ず担当医に相談を。

むずむず脚症候群対策2:ドーパミン受容体作動薬

働きの弱まっている神経細胞に直接刺激を与えることで足の不快感のもとになる刺激をブロックすする機能を取り戻させます。

現在は2つの薬がむずむず脚症候群の症状改善薬として使われていて、貼るタイプの薬は副作用も少なく人気です。

保険も適用されますし、臨床実験では症状の改善効果は約8割の患者さんにみられたとされる期待の薬です。

むずむず脚症候群対策3:就寝前のストレッチなど行動療法を用いる

これは経験則な対策ではありますが、多くのむずむず脚症候群の患者さんがある程度効果があったという方法です。

就寝前にマッサージやシャワー、お風呂、短時間歩くというような適度な刺激を負荷を与えることで、夜間の症状が改善するというものです。

症状が軽度の人は、こうした行動療法と鉄剤の補給で症状が大分改善されることもあるようなので、まだまだ症状が軽めだなと自覚している人にはおすすめの方法でしょう。

では重症の人には全く効果のない方法かというと、そうではなく、重症の人は薬の量を増やさないためとか、これ以上症状を重くしないためにも、こうした行動療法をとるのが大事です。

刺激の程度は個人によって異なるので、ちょっとしたストレッチでOKの人もいれば、15分ほどウォーキングをした方がよい人など様々。

自分の症状が改善しやすい「程度」を自分で見極めるように色々と試してみると良いですね。

むずむず脚症候群対策4:夕方以降の刺激物摂取をひかえる

夕方以降、夜間の刺激物摂取を控えるのは、むずむず脚症候群対策の基本。

カフェインやアルコール、ニコチンを過剰に摂取すると血流の悪化を招き、症状が悪化することはよくあります。

働いていると付き合いの飲みで夜間の飲酒NGを守るのは難しくなる場合もありますが、症状が出ている期間については、できるだけこうした刺激物の摂取を控えることが症状の改善につながります。